2008年11月24日月曜日

銚子市の幹部の皆様へのせつなるお願いです。

ここで全国に知れわたっている巷の話題をとりあげます。
日本国の最高指導者であり、「ふしゅう(踏襲)」、「みぞゆう(未曾有)」、「はんざつ(頻繁)」など、意味不明の面白い言葉を連発している麻生太郎首相が、過日に全国知事会でとんでもない発言をしています

「地方の病院での医師の確保という問題だが、自分で病院経営をしているから言うわけではないけど大変だ。社会的常識がかなり欠落している人(医者)が多いんで」と、医師不足という現状の中で長時間労働を強いられながら、懸命に患者の健康と生命を支えている真面目な医師の気持ちを踏みにじる心無い発言のことであります。

このような非常識な発言をする首相の元では、産科や小児科、地方の病院での医師不足問題の改善などはとてもお任せすることができるものではありません。
政府与党が作り出した医師不足に対する責任の自覚がなく、非常識な人が多いという言い方で医師に責任あるかのような発言をすることは、医師不足に対する政治の責任を受け止め打開しようという立場のないことの現われであり、このような発言をした首相を全国の医師は信用しないであろうし、地方の公立病院の再生をいっそう困難にしてしまうことでありましょう。
現市長による市立病院の閉鎖という政治的な災厄を体験している銚子市民にとっても、この首相の発言は他人ごとではないと思います。

さて、11月11日の朝日新聞につぎのようなエピソードが載っていました。
麻生首相が国会答弁で戦争責任に関する過去の政府答弁を「ふしゅう」するという答弁を重ねているといいます。
11月17日の参議院本会議の答弁のなかで、村山談話を「ふしゅう」するといい、10月15日の参院予算委員会でも、慰安婦問題での旧日本軍の関与を認めた93年の河野談話をも、やはり「ふしゅう」すると答えたといいます。

これは「とうしゅう(踏襲)」という漢字の誤読でありますが、問題は彼の周りの秘書官をはじめ、誰もこの読み間違いを指摘しないということであります。
驚くべきは麻生氏が外務大臣だった昨年にあっても、河野談話を「ふしゅう」と答弁していたといいます。
このことは周囲の誰もが、麻生首相や麻生外相に間違いを指摘することなく現在にいたっているということであります。
このエピソードはこの国の政府関係者が国家権力と権力者の前で何も言えずに沈黙したままであることをものがたっています。

別の表現を使えば、「定額給付金」をめぐる政策的な迷走、医者や母親にたいする心ない暴言、急激な内閣支持率の低下などによって、もはや「裸の王様」となってしまった麻生首相にたいして「あなたは裸だ」と言ってあげる人がおらず、権力者の誤りを正す勇気を持った政府関係者がいないということであります。
漢字の読み違いていどならまだしも、誤りが内政や外交などの重大事項に関することであったら、誤りを放置することにとって被る国民の損害や国益の損失は計り知れません。

ひるがえって、わが銚子市の現状を見ると似たような状況があります。
銚子市の昨年度の決算では50億円の黒字が計上されています。
「夕張になってしまう、銚子市の財政は風前の灯だ」などといって7月に市立病院の突然の休止を決め、9月に休止してしまった市長の決断は重大な誤りであり、重大な医療空白を生んでしまいました。
そして、自らの肝いりで発足させ、今後の病院事業の運営について有識者によって討議するとした「銚子市立病院事業ありかた検討委員会」においてさえ、委員から「来年4月の病院再開はどんなにガンバっても無理」と宣告されてしまったのです。
そして、市民有志の間からはリコールの運動がはじまっており、受任者が1800人を数えるほどまでになっています。

岡野市長はもはや完全なる「裸の王様」であります。
しかし、彼の周りには「あなたは裸だ」と言って、誤りを正そうとする勇気ある人がいません。
特に彼に最も近い市の執行部のなかには存在していません。
残念ながら、なみいる幹部のなかにはこのような勇気を持った人が一人もいないのです。

権力者の誤りが放置されることによって被る国民や市民の損失は計り知れないことは、麻生首相の場合でも岡野市長の場合でも全く変わりません。

銚子市の執行部の関係者の皆様にお願いします。
どうか、勇気を持って岡野市長に「あなたは裸だ」と真実のことを告げてあげてください。
勇気がいることと存じ上げますが、市民の切なる願いであります。
あなた様方の勇気によって事態がどれほど改善されるかを、どうかお考えなさってください。
岡野市長にたいして「あなたは裸だ」と勇気ある諫言をおこなった方は、後世において「銚子市史」のなかにその名が刻まれることでしょう。


                                      西岡記す

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